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「意味もなく俺達が異世界に来るものか。俺達に心当たりが無いというのなら…原因はお前しかないだろうが。」
いちいち睨み付けるのを止めてほしい。
…ほんとに怖いんだから。
それよりこいつは…こいつは何を言い出すんだ!
何て痛いところを突いてくるのだ!
「私の妄想が…」なんて言えるわけないよ…まだ心の準備ってものが
「…何かありそうだな。」
「な、ないないっ!ほんとに!」
「そうだよ、タカナは嘘なんて…。あれ、でもそういえば…なんでタカナはフェアリーランドの動物を知ってたの?」
「あ、言われてみれば…。」
このタイミングでそれを思い出すか!!
あの時は普通にスルーしてたくせに!
これはもう…白状するしかない…か。
いや、あきらめない!
自分の妄想癖を赤裸々に話すくらいなら、私は…醜くたって足掻いてみせる!
「それは」
「はい証拠出た~。このノートか?」
負けた。
ヴェルデは私の自由帳をパラパラとめくる。
「…酷い絵だが、たしかに全てフェアリーランドの動物だな。」
「あ、これ生で食うと美味いよな。」
一通り自由帳の中身を見終えると、三人はこちらに向き直った。
「お前がフェアリーランドと何らかの関わりがあることは明らかだな。…何か言うことは?」
ヴェルデに見下ろされる形で私は正座をさせられる。
この子の威圧感なんなの…。
少し離れた場所から不思議そうな表情でオルフェとマリスがこちらを見ている。
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