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「確かに、…その、私の…せいだったり…。」
恐る恐る答えてみる。
「はっきり言え、はっきりと。」
剣の鞘で肩をつつかれる。
「わ、私のせいだと思います!」
表情を変えないままのヴェルデと驚いた様子の二人。
「貴奈…どういうことだ?」
「…私が、寂しいから…誰か迎えにきてくれないかなって…いつも考えていたから…。」
三人は何も答えない。
「ベソは居てくれたから一人じゃなかったけど、その…おとぎ話みたいなことが起きないかなって…毎日考えてたことが原因だと思います!」
私の部屋で寝ていたのであろう ベソは今までの騒ぎを気にも留めず、今頃起きてきた。
そして私の頬をペロリと舐める。
「…それが心当たり?」
「うん…普通の人よりも、ずっとたくさん空想してたからだと思う…。暇さえあればって感じで…。たぶん、私が呼び寄せたんだと思う…ごめん、いい歳して恥ずかしくて…言えませんでした…。」
「…でもわざとじゃないんだろ?」
オルフェが言う。
「お前が俺達を意図的に呼び出したわけじゃないんだろ。なら謝ることない。」
「オルフェ…。」
「そうだよ!僕はタカナのせいだなんて思ってないよ。」
「マリス…!」
思いがけない優しい言葉に涙腺が緩む。
良かった…嫌われなくて…。
「…じゃあ、俺達がここへ来たのは偶然であったと?」
不機嫌そうにヴェルデが言った。
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