いつかの思い出

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花火の音と、虫の声がまるで音楽を奏でてるように調和して心地よくなって、あたし達はしばらくそのまま芝生に寝転んでいた。 「マシロ」 「なぁに?」 「もう一度、付き合わない?」 あたしの目をじっと見て、航が言った。 最初、何を言われてるか分からなかった。 だって、あたし達は一回駄目になっていて…。 まさか航がそう言うなんて、夢にも思わなかったから。 あたしは、突然の航の言葉にビックリして、嬉しいはずなのに涙をポロポロ流してしまった。 「マシロ、返事は?」 あたしの涙を手で拭いながら、航が優しく話しかけた。 「うん…、航好き」 あたしが泣きじゃくりながら返事をすると、航は嬉しそうにあたしを抱き締めてくれた。 ギュッと苦しくなる位抱き合って、あたし達は約1年ぶりに2度目のキスをした。
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