家内黙示録

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倉庫から 部屋に入った 庸平は 力なく地面にへたり込んだ… 美花も 今頃恐怖がこみ上げたようで 拳銃を握りながら涙をながしていた… 「よく頑張ったな 二人とも」 そういって 山下先生は リビングへ行き 冷蔵庫を開けた… 「やばいな…」 そんな声が山下先生から漏れた (なんだ?) 庸平は ゆっくりと立ち上がり 山下先生の下へと行った 「食料があんまりないな…」 そこにあった 食料はよくて明日の朝…くらいの量しかない食材… 庸平は先生をジト目で見つめる… 「みるなよ… 一人暮らしなんだよ …みるなよ…」 ふっ… それまで 泣いていた美花が 少しだが笑い声をもらした それにつられて 庸平と山下先生も笑う この瞬間 庸平は一時の安らぎを手に入れた… しかし それは新たな地獄の始まりだった
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