スマイル2・再会は突然に

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  「救い様が無い変態ね、アンタ」 「うっ・・・・ウルセーよ! 大体俺は、女に断られた事なんかねーんだ!」 「良かったじゃない」ミューは笑った。「初めて断ってくれる女が現れて」  アイツはそう言って、スタスタ歩き出した。そして商店街の一角に、タイムセールと書かれた看板の前で立ち止まる。 「お一人様、一コ限りか・・・・」  ブツブツ呟いていたかと思うと、腕を急に掴まれた。「一緒に来て!」 「ハア!? 何だよ急に!」 「いいから!」  アイツは俺の腕を掴んだままスーパーに入り、レジに並んだ。  両手に持つのは、お得用トイレットペーパー。  何だ?  何でそんなもの二つも買うんだ?  っつーか、そんなの召使いの仕事だろ。  レジで会計を済ませたミューは、嬉しそうにトイレットペーパーの袋を下げ、商店街の買い物を楽しんで居た。  ヤツが買った物は、生活用品や食材。沢山の荷物を抱え、嬉しそうに走り回る。  俺、一体何やってんだ?  何でこんな貧乏女の後を、俺が着いて回らなきゃならねーんだよ!  この俺様をこんなに振り回しやがって!  ミュー。  今に見とけよ。 ――絶対、手に入れてやるからな!  
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