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知らない男がマサキ施設に入ったら、俺のパソコンとスマホ、警報なるようにセットしておこう。どんな仕事中だろーが、たとえ今進めてるプロジェクト遂行中の重要会議中だとしても、そんなの関係ねーぞ。すぐ飛んで行って、解決してやって、施設から追い出さなきゃいけねーからな。仕事よりそっちのが大事だ。
なんせ美羽を手に入れるっつーのは、櫻井王雅一世一代の大プロジェクトだからな。
櫻井グループのプロジェクトより、もっともっと大切だし、万が一にも失敗するワケにはいかねーんだ。
SPも施設近くに常駐させておいて、俺がどーしてもすぐ行けない時は、SPに向かわせればいいな。
よーし、そうしよう。これで当面安心だ。
名案を思い付いたことで、テンションが上がった。
チイとの辛い別れを何とかしたくて、あれこれ考えていたけれど、上手い具合に解決策を見いだせて良かった。
佳奈美の準備が整ったので、遊戯室に寝かせていたチイを起こして彼女に託した。
実の母親に久々に会えて満面の笑顔のチイを見て、やっぱり俺なんかの出る幕は無いと痛感した。
本当の親には、誰にも敵わない。他人の俺がどんなに大切に想っても、親子の絆は断ち切ることができないんだ。
チイの笑顔は、その事を浮き彫りにさせてくれた。
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