スマイル27・涙

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  「チイ、ほら、行けよ。佳奈美(ママ)が待ってんだろ。お前が困ったら、俺様が何時でも助けてやるからな」  俺は、泣きながら精一杯の笑顔を見せた。涙が溢れてくるのは、もう、どーしよーもなかった。  自分では、止めることが出来なかった。 「あーい」  チイが手を振って、俺に笑顔を見せてくれた。  何時もは、お前がここで大泣きするのに、今日は逆だな。  お前と離れたくなくて、俺様の方が泣いちまうなんてな。  チイ、ありがとう。  お前が俺に教えてくれた大切なことは、絶対に、絶対に忘れないから。  佳奈美と落ち着いて暮らせるようになったら、俺がお前に会いに行ってやるから。  だけどな、お前が大きくなって、メチャクチャ美人になって、嫁に行くなんて事になっても、俺は絶対赦さねーからな。  お前の結婚式なんて、絶対に出席してやんねーからな。  佳奈美とチイがヘリに乗り込んだ。二人が大きく手を振った。  俺達は定位置まで下がって、ヘリが上昇して見えなくなるまで手を振って、彼女たちを見送った。  チイが居なくなってしまった淋しさだけが、全員の心に残った。  
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