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「チイ、ほら、行けよ。佳奈美(ママ)が待ってんだろ。お前が困ったら、俺様が何時でも助けてやるからな」
俺は、泣きながら精一杯の笑顔を見せた。涙が溢れてくるのは、もう、どーしよーもなかった。
自分では、止めることが出来なかった。
「あーい」
チイが手を振って、俺に笑顔を見せてくれた。
何時もは、お前がここで大泣きするのに、今日は逆だな。
お前と離れたくなくて、俺様の方が泣いちまうなんてな。
チイ、ありがとう。
お前が俺に教えてくれた大切なことは、絶対に、絶対に忘れないから。
佳奈美と落ち着いて暮らせるようになったら、俺がお前に会いに行ってやるから。
だけどな、お前が大きくなって、メチャクチャ美人になって、嫁に行くなんて事になっても、俺は絶対赦さねーからな。
お前の結婚式なんて、絶対に出席してやんねーからな。
佳奈美とチイがヘリに乗り込んだ。二人が大きく手を振った。
俺達は定位置まで下がって、ヘリが上昇して見えなくなるまで手を振って、彼女たちを見送った。
チイが居なくなってしまった淋しさだけが、全員の心に残った。
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