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「さあ、帰りましょうか! お腹空いたから、美味しいもの沢山食べて、元気出しましょう! 先生が美味しいご飯、作ってあげるから」
美羽はもう笑って、ガキ共に声をかけた。
お前だって辛いのに、本当にスゲーな。俺はムリだ。
涙は何とか流れなくなったけど、本当に辛くて仕方がない。
ぼんやりしていると、美羽が俺の傍にやって来た。
「王雅はどうするの? 私達と一緒に帰る?」
聞かれてハッとした。そーいやココは、俺の家の敷地内だった。
「そっちに一緒に帰っても、いーのか?」
恐る恐る尋ねると、美羽は笑ってくれた。「もちろんよ。御飯の用意、手伝ってくれる?」
「ああ。何でも手伝ってやる。俺様に任せとけ」
「本当? 王雅に任せて大丈夫なの? ちゃんと美味しく食べれるものになるのかしら?」
美羽が悪戯な笑顔を見せながら、俺を覗き込んできた。
「俺様を誰だと思ってんだよ」
「えーっと・・・・セクハラ大王?」
「ちげーねーな(違わないな)」
俺達は笑った。
美羽が、俺がこれ以上落ち込まなくていいように、冗談言って笑わせてくれたんだ。
俺は、ガキ共に見つからないように、そっと美羽の手を取った。
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