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施設に戻ってきた俺達は、美羽と一緒に夕飯の支度をして、それを食べた後は、例の如く男のガキは俺が風呂に入れてやり、女の方は美羽が風呂に入れ、いつも以上に一緒になって楽しく遊んで、遊戯室に布団を敷いて全員を寝かせた。
チイの分の布団を敷かなくてもよくなったことが淋しさを助長させ、思わず泣きそうになってしまった。
俺、マジでダメ男だな。こんな調子で、この先やっていけんのかよ。
もうこの施設から、大好きなガキ共が一人でも居なくならないで欲しい。
チイ一人だけでもこんなに辛いんだ。もうこれ以上は、本当に耐えられないと思う。
内藤や佳奈美みたいなまともな親じゃなくて、マサキ施設にガキを預けている親は、全員、千夏みたいなロクでもない親であって欲しいと願わざるを得ない。
そしたらガキ共は、親にその存在を求められず、ずっとこの施設に居ることができるだろ。
俺が大事に育ててやるから、もう親のとこなんかに帰らないでくれって、心の底から思う。
でも、美羽は俺以上にこの施設に関わって来て、俺以上にそんな辛い思いを抱えて、別離を繰り返して、今日まで生きて来たんだ。
これまでに沢山のガキ共を笑顔で見送り、親元に返して、一人ぼっちで泣いていたのかと思うと、堪らなくなった。
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