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……バクだ。
服装こそ違うものの、華奢で長身な体躯といい長めの前髪といい、あれはバクにしか見えない。
極彩色の景色のなかで、白っぽい服装――入院着? のバクはそこだけ塗り忘れた塗り絵みたいに浮いて見える。
これってもしかして、バクの夢の中……?
バクは少し俯き加減のまま、森を歩いていた。
あたしには、気がついていないみたい。
「バク!」
あたしは彼を呼んでいた。
危ないかも、なんて思わなかった。
だけど、反応はない。
もしかして、聞こえてない?
他の人の夢の中だから?
仕方ないから、後ろからこっそりついていくことにした。
バクの夢もおんなじだ。
木の生えていない、真っ黒でつまんない地面が伸びてる。
その一本道を導かれるように、進んでいた。
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