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ルシフェルの羽翼
大魔王ルシフェルも元は光の天使だった。
これはキリスト教に残る、古い言い伝えだ。
聖書の中には記載されてはいないものの、外典ではその神々しい姿まで如実に著されている。
あまりにも神に近い存在が故に、唯一神と争い地に堕とされた。
その名を冠する石とは如何なる物なのだろう。
ルシフェルと比べれば、それ以外の魔王も単なるその手足に過ぎない。
スカルが最後まできて苦労するのも頷ける。
今回の潜入で、どこまでこの石に近付けるかは分からないが、その存在の一部でも分かれば上等だ。そもそも発見出来たとしても、未だ対処法が見付からない。
エンジェルストーンは依然として、その存在すら闇の中だ。この場合、光の中と言った方がいいのか。
スカルも行方を眩ませたまま、あれ以来、動く気配がない。
石の噂ある所に現れる。こちらが知り得る情報はそれだけだ。
今回の潜入は恐らく邪魔される事もないだろう。尤も石が直接出てきたともなれば話は別だが。
ブラジリア国際空港を降り立ったキング達は、丁重に迎えられるままバスに乗り込み、政府の用意したホテルに通された。
ここは、大統領府のおかれているアルボラーダ宮殿とは、目と鼻の先にある。
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