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「ここに居るはずだ、撃て!」
切羽詰まった声が路地裏に響く。
ドンッ!
一斉に数発の銃声が鳴った。
「美しさに惑わされるな、アイツは化け物だ。気をつけ……」
言葉が、途切れる。
男は言葉を言い終わらないうちに地に伏した。
銃を持った男達の間に動揺がはしる。
「ライネル様!一体何が……!?」
見ると男の腹に針のようなものが刺さっていた。
しかし男は死んでるようではなく、とろんと酔ったような目で宙を見ているだけだった。
「誰かライネル様を安全な場所へ!」
「気をつけろ、ヤツは麻酔銃を持っているぞ!」
「何処だ……姿を現せ!」
男達の怒声。
「出てこい泥棒猫!」
しかし次の瞬間、威勢よくそう叫んだ男も一瞬ふらついた後倒れこむ。
「!?」
「おい、どうしたしっかりしろ!」
続いて、1人、2人と屈強な男達が倒れていく。
「……くそ!」
最後に残った男が、やけくそに銃を撃ちまくり……倒れこんだ。
路地裏を静寂が支配する。
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