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数時間後……アレックスは町にたどり着いた。
「オイ、そこの兄さん!」
町の出入りを監督してると思われる男に声をかけた。
「どうも。せっかくですが今この町ではマフィアと警察の争いが激しく町に入るのはお勧めできな……」
「そんなことは知ってる!」
アレックスの荒い声に、男は驚いて一歩後退った。
「あ―……悪い。驚かせるつもりはなかったんだ。ただ、人を探しててな。金髪の美人の女が町に入らなかったか」
「今、街中は大変危険です。ネズミ一匹入れてません」
アレックスはさらに詰めよった。
「警備を潜り抜けてこっそり入った奴もいないのか?」
「こっそり入ったなら僕達が知るはずがないでしょう!」
……その通りである。
しかしローザなら警備の目をかいくぐって町に入るくらいしそうだ。
……仕方がない。
アレックスは腹を決めた。
「そこをどけ」
「は!?何を言ってるんです。大変危険だと――」
「退け!」
アレックスは男に銃を突きつけた。不意を突かれた男の顔が引きつる。
「……知りませんからね」
男は、手を上げ道をあけながら呟いた。
アレックスが町へと駆け出すと、背後で警笛が鳴った。
「侵入者一名!捕らえろ!」
先程の男の声だった。
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