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「何辛気臭い顔してんだよ。こっちが俺達の部屋だ。ボス、随分良い船よこしたよなぁ……お前よっぽどボスに気に入られてるんだな」
「小物のセンスが最低ですね。壁紙とまるで合ってない」
「お前ってヤツは……」
ジッリョはスタスタと歩いて行って、ベッドに横たわった。
「着くまで時間があります。先に休ましてもらいますよ」
「はいはーい、じゃあ俺は船内探検してくるぜ」
アルゼンテは上機嫌で船室を出ていった。
まったく、本当に陽気なヤツだ。
まあその陽気さと気配りに何度も救われたのかもしれないが。
無くてはならない存在……と言っては大袈裟か?
もしかして、これが家族というものに抱く感情と近い感情なのか?
ジッリョはそんなことを考えながら、いつの間にか目を閉じ眠りについていた。
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