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アルゼンテは、鼻歌を歌いながら船内をスキップした。
「カーロ・ミオ・ベェエエン!」
ついあの名曲を口ずさむ。
しかし、ある一角で足をとめた。
「……だぜ?」
何やら話し声が聞こえる。
先輩か?噂話でもしているのだろうか。
「オイオイ……それマジ?」
「そうそう、何だってあいつはボスのお気に入りだからなぁ」
お気に入り……ジッリョのことか?
「でもまだ若いだろ」
「若さなんて関係ねぇ、綺麗な顔してるからそれでいいんだろ」
「ボスの面くいっぷりも困ったもんだ」
「まったくだ。あんなのを側近になんて」
「じゃ、アイツはこのままイタリアの本部に置いとくのか」
「側近なんだからそうなんだろ」
「あ、そうそう。ところで……」
ジッリョが、ボスの側近?
その後の会話は、もうアルゼンテの耳に届いていなかった。
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