273人が本棚に入れています
本棚に追加
/160ページ
その時、アレックスはある一点に目がいった。
「あれは……」
民家の屋根に、長い金髪がきらめいた気がした。
「ローザ!」
階段を降りている暇などない。
アレックスはナイフを木におもいっきり刺し、ロープをきつく巻きつけると時計台から飛び降りた。
「ローザ!」
着地すると足がじんと痺れた。
しかしすぐに駆け出す。
「……あそこか!」
アレックスは大声で叫んだ。
「ローザ、こっちだ!」
屋根の上のローザは、驚いた顔でアレックスの方を向いた。
最初のコメントを投稿しよう!