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「ここが……イタリア」
イギリスより少し乾いた空気だ。
跳ねた髪を撫でる。
その時、1つのライトの光がジッリョ達を照らした。
「この町に無断で立ち入ることは認めない!手を上げて投降しなさい」
数人の警官が、銃を向けてくる。
「さて……仕事だ、ジッリョ」
先輩達が銃を構え、ためらいなく警官を撃ち殺した。
ドンッ!ドンドンッ!
凄まじい銃声。つっ立っているわけにはいくまい。自分が殺されてしまう。
仕方なくジッリョも銃を撃った。
弾が、警官の肩に命中する。
「くそっ……こいつらマフィアだ!増員を……」
最後の1人となった警官が、言い終わらないうちに弾を心臓に受け倒れた。
一瞬の静けさ。
しかしすぐに町全体に警報が鳴り響き、赤いランプが点滅する。
警官の誰かが非常事態の警報を鳴らしたのだろう。
「さぁ、現地のファミリーと合流する。もたもたするな!」
先輩の怒声に素直に従い、ジッリョは銃を手にしたまま闇に向かって走りだした。
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