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「これは…いったい」
情報屋は説明するように言った。
「写真はここから北の町…今アイリスファミリーが派手にやらかしてる町の写真の、防犯カメラが捕えた写真だ」
そこには町中を走るローザの姿が写っていた。
「何故ローザが…」
「ローザがこの町にむかってることを知ってアレックスも町へ向かった。もっとも、元々町には行く気だったみたいだがな」
「…」
そう、アレックスはジャックの情報を得にアイリスファミリーの周辺を探りに行くはずであった。
「アレックス…どうかローザを守ってくれ…」
じいやは写真を見つめながら、祈るように言った。
「…それからもう一枚」
「!!」
その写真は、さらにじいやを驚愕させるものだった。
「…これは」
情報屋は頷いた。
「同じ町で撮られた写真だ。場所は船着き場。どうやらアイリスファミリーの増援らしいな」
「そんな…まさか。やはりあの子は…」
そこには、ジャックの姿が写っていた。
前の写真と同じ生気の無い瞳。
「あの子がアイリスファミリーに…?でも何故じゃ…」
何故、自分達を襲った相手に味方する?
脅されているのか?
情報屋は二枚の写真を横に並べた。
「面白いことが起こったな…アレックス、ジャック、そしてローザ…アンタの愛する子供達が3人そろって今同じ町に居る」
故郷、イギリスを離れたこの地で再び巡り合うなんて誰が思っただろうか。
「…」
じいやは複雑な心境で写真を見つめた。
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