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アレックスが不意に言った。
「実はな、ローザ。1つ言わなきゃいけないことがある」
「…何?まだ秘密があったの?」
「秘密っていうか…実は俺がこの町に来たのは、お前を探しに来たこと以外にもう1つある」
「……何?」
アレックスは、ローザの瞳を見つめた。
「………ジャックは、アイリスファミリーに居るかもしれない」
「…………え?」
今、なんて?
「ジャックって……ジャック兄さん?」
ローザをプリンセスと呼んだ、あの兄…?
アレックスは頷いた。
「詳しくはわからない…だから、アイリスファミリーからジャックのことを聞き出そうと思ったんだ…」
「……そうなの」
ジャック兄さんとも、また会えるかもしれない。
しかしとある不安のため素直に喜べない。
何故ジャック兄さんはアイリスファミリーに…?
なんで私達の幸せを壊した奴らの所に…?
しかし全てはアイリスファミリーを追い詰めればわかることだ。
「…そうだわ」
ローザはある作戦を思いつく。
「あいつらは紅の雫石を狙ってる…それをあいつらより先に盗んでやりましょう。で、紅の雫石が欲しがったらジャック兄さんの情報を渡せって言うの」
「…へぇ、なるほどな。賢いなローザは!よーし早速行こうぜ!!」
ローザは兄の率直ぶりに苦笑した。
「でも難しいわ…だってアイリスファミリーがこんなに躍起になっても手に入れられてないお宝だもの。きっと警備は堅いわ」
アレックスはニヤッとした。
「難しいことをやってのけるのが大怪盗だ!ローザの作戦気に入ったぜ。俺達らしい」
そう、怪盗が目の前のお宝を盗まずにしてどうする。
「……そうね」
ローザは決意して頷いた。
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