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家路につきながらひとつ溜め息を吐く。
「もう……言っちゃおうかな、」
暗い夜空を見上げて、呟いた。
その呟きに自分で苦笑する。
俺って、こんなに弱かったっけ??
なんだか急に怖くなった。
いつか……
仕事が続けられないぐらい
病気が悪化して、仕事を辞めることに
なったら、みんなはなんて言うのだろう。
呆れる??
怒る??
それならまだいい。
呆れられるのも、怒られるのも、
慣れているから。
でも、嫌いにならないで……。
自分の言ってることが
矛盾してることぐらいわかってる。
呆れられても怒られてもいいけど
嫌いにだけはならないでなんて……。
そんなこと思ってる時点で
俺はみんなに甘えてるんだ。
もう一度空を見上げると、
頬に何かが伝うのを感じた。
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