~3rd story~

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でも俺は、 それに気づかない振りをして 一歩を踏み出す。 まるで何かを振り払うかのように。 そうしないと自分を保つことが 出来なくなってしまいそうで、 とても怖かった。 自宅のマンションに着くと、 部屋の前で誰かが佇んでいるのが見えた。 もしかして、ヤラカシ? 一瞬そんな風に思ったけど 直ぐに違うと気が付いた。 だってそれは、 見間違えるはずもない 愛しい〝彼〟の姿だったから。 その人物が俺に気付きこっちを見る。 「おかえり、赤西」 「うえだ……」 .
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