~3rd story~

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その後は、 何でもない話で盛り上がった。 今日の撮影のこと 中丸と飲んだときの笑い話…… どうして訪ねて来たのか 気になったけれど、 それを口にすることは出来なかった。 一通り話して少し落ち着いた頃、 紅茶のおかわりでも注ごうと 立ち上がった瞬間。 不意に目眩が襲ってきて、 俺はバランスを崩してしまった。 そのせいで手に持っていた マグカップが滑り、床へと落ちてゆく。 俺の身体は上田に咄嗟に 支えられたけれど、 マグカップはそのまま。 堅いフローリングに落ちて粉々に割れた。 「っ、ごめん」 その光景をぼーっと見つめていた俺は はっとして上田から離れようとする。 「赤西、」 しかし、 上田は俺を解放してくれなかった。 腕を痛いくらいに掴み、 その腕を振りほどこうとしても ボクシングで鍛えているだけあって 振りほどくことが出来ない。 .
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