おんぶ

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さらに数日が経ちました。 何を食っても甘酸っぱい腐葉土の異臭しかしなくなったため、男は食事をとらなくなりました。 そして次第に衰弱していきました。 そんなある日、一人遊びをしていた子供が顔を上げて不思議そうに尋ねました。 「ねえ、パパ、ママのことなんだけどさあ」 男はついに来たか、と思いました。不意に異臭が強くなりました。 子供は小首をかしげながら、不思議そうに尋ねました。 「どうしてパパ、ずっとママをせおってるの?」 異臭は背後から漂っていました。
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