序章

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そして少女は自身の傷を確認した瞬間また急激に瞼が重くなるのを感じた。 ーーあぁ…私死ぬんだ… 止まることのない血。 動かそうにも動かない体。 幼い少女でも理解した、嫌、理解するしかないこの現実に少女は静かに涙を流しながらそっと目を閉じた。 ーーパパ…ママ… バイバイ… その日、夏から秋に変わる季節に少女は静かに息を引き取った。 誰にも看取られることなく日のささないくらい部屋の中で。
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