閉ざされた世界

始まりの前日

成人の儀。

このエルラ村には成人と見なされる18歳になると､オスタリア大陸最大の都市｢帝都ギフェルネシア｣まで１人で行き､村の有名な加治屋が作ったエルラの剣を皇帝へ献上するという試練がある。

俺､レグルスは明日で18歳となりその試練を受けなければならない。

｢いよいよ明日か……｣

近くの森で剣術の訓練をしている最中で汗だくになりながら剣を振って呟く。

俺はもともとこの村の出身者ではないらしく､捨てられていたところをこの村の村長に拾われ育てられた。

なんで俺がそんな面倒なことを？とは思うが､この村の風習であるし､なにより親同然に育ててくれた村長を困らせるわけにもいかない。

太陽の位置を見るとそろそろ村長との約束の時間が近づいていたので､適当に訓練を切り上げ村長のところへ向かった。