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森丘・エリア10
「せやぁっ!!」
ピギョッ!?
ギャァッ!? ギャァギャァギャァッ!!
掛け声と共に振り抜かれた月影の一閃が哀れなドスランポスの首を飛ばし、それを失った胴体は鮮血を噴き出しながら崩れる様に倒れる。
そして群れの長が倒れたと知った手下のランポス達は、我先にと蜘蛛の子を散らす様に慌てて逃げ出していった。
「依頼達成…っと」
その月影の持ち主たるナヴィはそう呟きながら、武器の血を払って鞘へ。
尖爪や上皮を剥ぎ取り、ついでに切り飛ばした頭も拾う。
「ニャッ、お疲れ様ですニャ!」
「サイレンもお疲れ様っ、助かったよ」
「ありがとうございますニャ!、じゃ、帰りましょうニャ」
「うん」
手下らを相手にしていたサイレンもやって来て、一人と一匹は揃ってキャンプに戻り竜車に乗るとポッケへの帰路に着く。
そうして揺られる事数時間…ナヴィとサイレンはポッケのギルド出張所へと帰って来た。
「ただいま帰りましたっ!」
「お疲れ様ナヴィちゃん…はい、これが報奨金と素材よ」
「ありがとう」
狩猟の証であるドスランポスの尖爪を見せ、受注した牧場を荒らすランポスの群れのリーダーを叩いて欲しいと言う内容の依頼書にギルドの判が押されるとベッキーから報奨金と素材が渡される。
それを手に彼女はサイレンと我が家へ。
「ただいまニャ」
「ニャ、お帰りニャサイレン、ナヴィさんも」
「ただいまっ、はい今日の稼ぎだよ」
「お疲れ様ですニャ」
丁度玄関の暖簾を潜った所で掃除をしていたジャスパーと鉢合わせ、彼女は素材と金の入った袋を渡すとある事を聞いてみた。
「そう言えば…ガルムは?」
「…!」
途端、ジャスパーの表情が一瞬ギクリとしたものに。
それに何かあったと感づいた彼女は、不意にある事に気付く。
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