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「…ちょ……ろ…ラ!」
「…でな…せっ…妾が…」
「…!」
「ニャ!、今は行っちゃダメニャ!」
風呂場の出入口から微かに見える湯気と、それに乗って聞こえてくるガルムと誰かが言い争う様な声。
すぐにピンと来た彼女はジャスパーの制止も聞かずそこへ向かい扉を開けると…
『あ』
見事に三人の声がハモる。
風呂場では素っ裸で泡まみれのガルムが、同じく素っ裸で腰まで伸びた白髪に紅い瞳の少女…否。
『幼女』に押し倒されかけていると言う、極めて危険かつ道徳的に強い疑いを持たれかねない状況。
「…」
「おお!、久しぶりじゃのぅナヴィ!、どうじゃ一緒に入らぬか?」
「余計な事を言うな!!、あのなナヴィ、これには雪山の湖より深~~い訳が…!」
しかし弁明しようとするも時既に遅し。
『ゴゴゴ…!』とでも擬音が付きそうな程にどす黒いオーラを背に纏った彼女は
「…ガ~ル~ムぅ~?」
「…!!」
「これは…どう言う事なのかなぁ~?」
冷たい笑みと共に青筋を幾つも浮かべて、手をボキボキと鳴らしながらゆっくりと歩み寄りつつ、変身。
しかもその姿は初期の頃…ナルガクルガの力が色濃く出ていた、ある意味懐かしの『黒ナヴィ』(命名・ガルム)
「待て!!、落ち着け!!、話せば分かる!!、暴力反対!!」
「問答無用っ!!!、許さなぁ~い!!!」
「ああまたこのパターンかよ畜生俺は主役じゃなかっtqあwせdrftgyふじこlp」
「…あ、はは…じゃ」
風呂場で始まるフルボッコの宴。
流れるお湯が朱に染まっていくその様子を白髪紅眼の幼女…もとい少女ことミラルーツは呆然と見ているしか無かった。
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