冬と言えば

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で、四番手。 「やれやれ…」 先程の惨状を目の当たりにして、大きな不安を抱きながら箸を鍋へ運ぶビリー。 そして念には念を入れ、コンロの火の明かりで確かめると事もあろうにそれは紫色のキノコ。 「あ、それウチが入れたドキドキノコや、まさかビリーはんが引っ掛かるとは」 「待てやコラ」 考え様によってはガルムが食わされたオオマヒシメジよりもタチが悪い。 DJもそうだがお前も何て物を入れてんだとナズナを軽く睨みつつも、取ってしまった以上は食わねばならない闇鍋のルール。 (ええい、南無三っ!) せめて良い効能に当たる様にと願い、豪快に丸ごと一口。 「…!」 しかし。 「こ…これは!?」 『これは!?』 「間違い無い!」 『間違い無い!?』 「あの!」 『あの!?』 「懐かしの!」 『懐かしの!?』 「…『ゲキレツ毒テング』だぁぁぁ……!」 そう言い残して彼は死にかけの盾蟹や鎌蟹の如く、口から紫色の泡を吹いてバタリと後ろへ倒れた。 「え!?、嘘!?、うわぁぁぁビリーはんしっかりしてやぁぁぁ~!!?」 へんじがない、ただのしかばねのようだ。 「嫌やぁぁぁ~!!」 ビリー・アルパイン。 享年26歳(二度目) 「…勝手……に…殺す…な…あとナズナ……覚えて…ろ……!」 「早く解毒薬と漢方薬をありったけ持って来るでござる!」 「は、はいっ!」 リタイア一名。 ビリー→ゲキレツ毒テングを食った為。
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