冬と言えば

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五番手。 「…」 既に三人(一人は鍋が原因では無いが)ものリタイアを出し、遂に自分に順番が回って来た事にアルティスは大きな不安に駆られる。 『この鍋と言うパンドラの箱に『希望』ってのは入ってるのか…?』と。 「…良し」 G級モンスターと睨み合う方がまだマシかも知れないと思いつつ、覚悟を決めて箸を伸ばす。 そして掴み取ったそれを一気に口へ運び、一口かじった瞬間。 「!??!〇#%※→#&÷*ピ―――――――――――――――――――――――――――――――!!!??」 「アルティスさぁ~ん!!?」 声にならない悲鳴を上げてのたうち回る。 それを見たセンカが慌てて近寄ると、彼は枯れた声でこう頼んだ。 「セ…センカ…水っ!、いやクーラードリンクっ!、ゲッホエホッ!!」 「は、はい!」 偶然ポーチにはクーラードリンクがあったのが幸いして、それを渡すとアルティスは必死の一気飲み。 しかし… 「ふぅ…うっ」 「…!?」 漸く一息かと思いきや大きな腹音と共に、アルティスは腹を抑えて冷や汗ダラダラ。 そして。 「すんませんっ…俺もリタイアっす…!、トイレ~!!」 自ら宣言すると、慌ててトイレへと駆けて行く。 その後数時間、彼はそこから出て来れなかったとか。 リタイア一名。 アルティス→トウガラシ+クーラードリンク一気飲みのダブルコンボにより胃腸が部位破壊の為。
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