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また…だ。 崖の下からは 死角になって見えないけど この崖を登るときみがいるはず。 きみの元へゆっくり崖を登っていく。 きみに会いたいんだ。 ………………… ………やっぱり。 案の定そこにはきみがいた。 髪は茶色で長く美しく、ウェーブがかかっていて、身体はとても華奢だった。 背中に天使のような綺麗で真っ白な大きな翼を持ち、その翼がきみを包んでいた。 きみは、手に何かを握り締め遠くを見据えて天を仰ぐように泣いていた。 神に裏切られたかのように。 もしくは、きみが裏切ったかのように。
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