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声にならない声を出して…
泣いていた。
はじめて見た時はそうだった。
でも何回か見るうちに
真っ白で綺麗な大きな翼は、色を黒く変え、翼の形はもはや原形をとどめていない。
羽はきみのまわりに落ちはじめる。
………もう、飛べない。
飛ぶことができない。
今もまだきみは泣き止まないし、手には何かを握り締めたままだった。
悲しくなって抱き締めたいと思ったけど、その岩には行くことできない。
近付けないんだ。
手を差し伸べても届かない。
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