逍遥のあそび～裏話～

二、死体がでたぞ

「この創傷は、生前できたものなのか、死後に何らかの要因によってつけられたものなのか？」

ですよね。

正解は死後何らかの要因によってつけられた、です。

ということは、もしその要因というのが人間であれば、殺人という罪には問われなくても、死体の損傷や遺棄などといった罪には問われる＝法律の適正な執行が法医学によって支援されたということになるでしょう。

今回のお話では、故意によらない頭蓋底骨折を負わしめたことによる死、そのあとに創傷をつけたというトリックにしたのですが……。

私としては「頭蓋底骨折ですぐに人が死ぬのか？」というのが自分で書いておきながらひっかかり、なんて無理のあるトリックだと思いました。

でも頭蓋底骨折にしたかったのは、解剖をしないでわかる体内での変化がこれくらいしか思いつかなかったからなんです。