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「眞耶」
起きて。と、体が揺さぶられる。
「んー……」
……まだ……眠……
「――眞耶姉ったら! もう。次移動だよー? 起ーきーてー」
枕代わりにと使っていた体操服を無理やり没収され、いきなりクッションが無くなった為に机に頬骨を強かに打ちつけてしまう。
「……っ」
~~痛い!゛
我が妹ながらなんて鬼畜なんだ!
………え? 妹?
「……あり? 私の煩い小姑、妹の遊(ユウ)が何故ここに?」
遊と呼ばれた少女は、襟や袖に白く引かれた二本線が特徴の中学校のセーラー服を着て眞耶の机の前に仁王立ちしていた。
「……遂に呆けたか。何でって、私とお姉ちゃんは同じクラスなんだから当たり前でしょ。全く……はああ……若年性認知症か……」
誰が認知症か誰が
……ん?
何故妹が同じクラスかって?
それは……まあ、色々あるのだよ。色々。
「……ていうか、次の授業ノマジなんだから急がないと。ほら、早く行くよ!」
遊が自身の荷物と眞耶の分の荷物を持ち教室の扉へと歩きだす。
「げ。次、ノマジ?」
あいつ遅れるとウルサイんだよなー。
「……待って遊! 荷物ありがとっ」
扉で止まってこちらを見ていた遊に追いつき、自分の荷物を受け取る。
「はい。走る?」
遊はくすくすと笑いながら、次の教室の方向を指さし眞耶に訊いた。
勿論!
「走る!」
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