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うまうま。
「食べたか? 次はこの飴じゃ」
私が先ほど貰った飴玉を口の中で転がしていると少女が黄色い飴玉を差し出してきた。
あの……まだいちご入ってるんですけど……。
「次を入れれば勝手に消える。この飴は一度味を感じればそれでいいのじゃ」
消えるとかそんな馬鹿なことあるわけないじゃないですかー。あはははは。「早よう受け取れ」あぐ! ……消えた。
なにこれ……怖……。
「テンプレ言ってないで次を食え。もう味は感じただろう」
あっ、うん。バナナでした。
「次は青。その後は緑じゃ。茶、橙と続けて食え」
言いながら少女が私の口に次から次へと飴玉を押し込んでくる。
……ちょっ! もうちょい優しく……
「味は感じたか? 最後は白じゃ」
あっはい。えーっと。ソーダ・メロン・チョコ・オレンジ・ソルトね。
おいちょっと待て。
「ふむ。全て食したようじゃな。合格じゃ。ぬしに簡単な仕事を与えてやろう」
なんで塩の塊が飴に紛れてるんだ。こら。お陰で口の中が塩辛いじゃないか。
「……改めて自己紹介といこうかの。適合者よ。わしは閻魔じゃ。管轄はぬしが先ほどまで存在していたこの世界と他に複数ある」おいこら無視か!
……ん? てゆうか閻魔ってあの閻魔? 神様とかじゃなくて?
「そうじゃ」
……おいおい、勘弁してくれよ……ここは普通神様登場でチートに異世界トリップが鉄板だろ? それが最近の流行りなんじゃないの?
「……ぬしが死後をどのように考えていたかは知らぬが死に流行りも廃りもあらぬ。夢を壊さないよう優しさで言うならその様な事が起こることも確かにあるにはあるのう」
……それって私に適応されたりとかは……。
「半分あるが半分ない。当たり前にわしは閻魔であるしな。神様という前提がまず消える」
ですよねー。
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