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その後、高来は杉沢の運転する彼の車に乗っていた。
紺色のセダン。
いい車に乗っている、と高来は思う。
「今までこのことを知っているのは松岡警部だけでしたが、ついに先輩にもばれましたか」
「説明して」
高来はぴしゃりと言い切る。
杉沢は苦笑いしながら答える。
「‥‥わかりました。でも高来先輩、このことは誰にも言わないと約束してくれますか?それを約束してくれないと‥‥」
「わかったわよ!約束する」
早く説明しろ!と言わんばかりの気迫でネイトは言い返された。
「よかった。もし上に言われでもしたら俺も松岡さんもクビでしたよ」
「‥‥?」
(俺‥‥?)
高来は杉沢の言葉を不審に思った。
「あなたが聞いたとおり、俺は怪盗団を指揮しています。裏でね。」
「‥‥‥どういう事?怪盗なんか‥‥犯罪よ」
「確かに犯罪ですが、俺たちのやってる事は悪事ではありません」
「どうであろうと、犯罪は犯罪よ、悪事かどうかを決めるのは貴方たちじゃない。日本という国、あなたもそれをわかってるでしょ?杉沢君」
「‥‥そうですね」
「‥‥?」
高来がそういうと杉沢はやや小さい言葉と同時に、少し暗い表情になってしまった。
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