69人が本棚に入れています
本棚に追加
「うわぁ!!」
「ひゃぁぁ!?」
「おわっ‥‥!」
「何‥!?」
「‥っ‥‥‥!?」
突如銃声が響いた。
ロア、高来、クローゼ、フォルニーア、ネイトがそれぞれに声を上げ、反射的にしゃがむ。
辺りを見渡すと、前方を無表情で見ながら、煙のあがる銃を垂直に上げるレティンが目に入った。
「‥‥てめぇ‥何いきなり発砲してやがるっ」
クローゼが立ち上がり、レティンに詰め寄ったとき、ロアの足元に何か黒い影がポトリと落ちる。
「うわあぁぁぁ!!」
ロアが飛び上がる。
その横で、まったく驚かないソフィア。
ソフィアの視線の先には、胸に手を当てハアハアしているロアがいた。
そのロアを見て、ソフィアが可笑しそうに微笑んでいる。
「‥‥ねずみです。天井にいたので、打ち落としました」
あわてるロアを宥めるように、レティンがつぶやく。
『‥‥‥』
一瞬、アジトに沈黙が走る。
床に落ちたねずみは、ぴくりとも動かない。
レティンはこの廃工場の、薄暗く、なおかつ10メートルはある高さの天上にいたねずみを、ろくに見もせず打ち落としたらしい。
最初のコメントを投稿しよう!