裏切り者と始まりの月夜

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「ところでネイト」 クローゼが横目を使いながら話かけた。 「あ?」 ネイトが振りかえる。 「大事なことを聞いてねえぞ」 「大事なこと?」 そうネイトがつぶやくと、クローゼは腕を組み、一泊をおいて言う。 「俺達は――“怪盗”だ」 クローゼの言いたいことがわかったように、ネイトはふっと、不適な笑みを刻む。 「ああそうだった。お宝だな」 と、ネイトがいうと、クローゼ、そしてフォルニーア、アジトの奥でロアが頷く。 「今回は何をいただくんだ?まさか‥山崎グループを潰すだけじゃないだろうな‥‥?」 疑っているようにクローゼは言う。 するとネイトは正面に向き直り、歩きだす。 「この俺がそんな事だけで終わると思ってんのか?」 「フン‥‥いい加減教えろよ」 クローゼが不貞腐れて言うと、正面を向いたままネイトは、不適な笑みのまま、口を開いた。 「今回、俺たちが盗むのは―――」 聞き入るように、全員がネイトを追った。 そしてネイトは言った。
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