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緊張感は、ミッション開始数秒前にも感じられなかった。
そのおかげ(?)か、この期に及んでも高来はさほど緊張しなかった。
「さて、始めるぞ」
ネイトがいよいよ真剣な眼差しで言う。
するとクローゼがパシッと拳を鳴らす。
[おう。‥‥で、どうする?]
「とりあえず、お前達二人は待機だ」
クローゼ、レティンは少しの間沈黙した。
そしてネイトの耳に、多少怒りのこもった声が響く。
[‥‥‥はぁ?]
「それじゃあ行きますか。フォルさん、先輩」
ネイトはクローゼを見事に受け流し、フォルニーアと高来に声をかけた。
「ああ」
「ええ」
その声を期に、ネイト達の声は無線から途絶えた。
クローゼ、レティンの二人は、山崎グループ正面玄関前で置いてきぼりを食らったのだ。
「‥‥‥‥‥で、俺たちはどうする。レティン」
「‥‥店にでも入りませんか?寒いです‥‥」
「寒くはないが、同意だな」
クローゼ、レティンが行きつけのファーストフード店にに繰り出そうとしていた時、ネイト、フォルニーア、高来は山崎グループ本社ビルに繰り出そうとしているところだった。
と、その時、不意に高来の携帯が鳴った。
「あ!‥‥ごめんなさい電話が‥‥」
「‥‥余裕あるねぇ美紀」
「流石俺の先輩」
フォルニーアは苦笑したが、ネイトは軽く受け流す。
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