VS 近衛隊800人

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「はい‥‥そうです。‥‥ええ、それとここからは電話は出来ないかと‥‥お願いします」 高来は早口で用件を済まし、電話をきった。 「ここからは隠密行動なので、よろしくお願いしますよ。電源は切っといてください」 ふっと笑いながら、ネイトは言った。 「ご‥ごめんなさい」 高来は恐縮していた。 そんな高来の肩に手をおき、ネイトは言った。 「それでは改めて、行きますか」 気を取り直し、高来が、ええ、と言ったとき、またも携帯の着信音が鳴った。 「と、電話だ」 次はネイトの携帯が鳴ったのだ。 「‥‥‥」 「‥‥‥ったく緊張が無さすぎる」 高来はただ茫然とし、フォルニーアは片手で頭を抱えていた。 「油断してるとフォルさんにも電話がくるよ」 嘲笑うかのようにネイトは言ったが、フォルニーアは腕を組みながら言った。 「ケータイは店に置いてきたよ」 当然だ。 と言いたげな言い方だった。 ネイト達のいる裏口は黒い鉄製の扉で出来ており、通常の鍵とパスワード認証のダブルロックで閉じられている。 その扉の鍵をカチャカチャとピッキングツールを操り、手慣れた手つきでネイトは開けようとしていた。 「ピッキングは久しぶりだな」 「裏口‥‥ネイトにしては地味なやり方じゃないか」 フォルニーアがからかうように言う。 すると、ネイトはカギに向かいながら、不適な笑みを見せた。 「派手なことはあとでやるよ。フォルさん」 高来は、ネイトが言った“派手なこと”について詳しく聞きたかったが、ネイトはもったいぶるようにそれ以上は話さなかった。 「よし、開いた。ロア、お前の出番だ」 カギを外し、パスワード認証装置にUSBケーブルを差し込み、それにつなげた自分のノートパソコンをカタカタと素早く打つ。 そしてそれをロアのパソコンにリンクした。 [おいさ、ハッキング開始!]
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