69人が本棚に入れています
本棚に追加
無線から、聞き慣れた声が聞こえた。
それは、ソフィアと共にアジトに残ったロアだった。
[十秒で開けろ]
「じっ‥十秒!?」
アジトの三台のパソコンの前でロアは、ネイトから送られたデータを常人離れしたスピードでキーを打ち解析した。
「出来たよ!」
そして、案の定ものの十数秒で解いてしまった。
「やればできるじゃないか天才」
[‥‥ネイトに言われても皮肉にしか聞こえないよ]
ネイトはロアとお互いに笑い合ったあと、ゆっくりと扉を開けた。
「‥‥裏口からとはいえ、敵はいるはずです」
ネイトがそういうと、高来が肩をぴくっと震わせる。
「敵‥‥さっき言ってた、近衛隊?」
扉を開けかけたネイトは高来に振り返り、まるで楽しむような軽口で言った。
「近衛隊と言うよりかは、金で雇われた外国の傭兵ですがね。数で言うと、八百前後かな」
「八百!?」
高来は思わず叫んでしまった。
同時に、ネイトは苦笑した。
「声が大きいですよ」
フォルニーアも後ろで苦笑していた。
ごめんなさい。
と、高来はまた謝った。
「ロア、F1の21監視カメラ、ストップしてくれ」
[おいさ。――F1の21監視カメラ‥録画ストップ‥‥巻き戻し再生スタート。いいぜネイト]
ネイトを先頭に、高来、フォルニーアと続いて薄暗いビルの廊下に侵入した。
最初のコメントを投稿しよう!