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ただ、走る。
ひたすらに走る。
体を守るレザーアーマーが邪魔で仕方がないが、これを脱ぐと生存確率が下がるので脱ぐことが出来ない。
俺は俺の後ろから付いて走ってくる仲間と共に、一目散に俺が提唱した作戦の実行場所へと駆けていた。
兵は俺を含めてたったの5人。
相手は400人以上いる2個中隊。
真正面からぶつかっては自殺にしかならない。
だから俺たちは全力で走っていた。
「見えたぜ、あそこだ!」
仲間の一人が目標地点を発見して声を出す。
俺がそれを確認して、右手を上げて仲間を停止させた。
「ここからは隠密行動だ、だれも声を出してはいけない。このまま左側にある森を抜けて裏側から奇襲をかける。作戦は出発前に伝えたとおりだ。」
俺がそう皆に伝えると、4人は互いに顔を見合わせ肯いてくれた。
俺も4人に頷き返し、森の中へと足を向けた。
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