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気がつけば〝あの日〟から既に1ヶ月が経っていた。
それでもかめからの連絡は無く、俺からもしていない。
さすがにヤバいと思って友人に相談すると
「バッカじゃねーの!!俺なんかに相談してる暇があったら、さっさと謝りに行ってこい!!」
と叱咤されてしまった。
その言葉にはっとした俺は、ありがとう もそこそこ、店を飛び出した。
向かうのは彼の家。
彼に会ったら速攻謝ろう。
そして、「好きだ」って「愛してる」って言うんだ。
今まで恥ずかしくて言えなかったけれど、今日ぐらいは素直になろう。
そう決意してたどり着いた彼の家。
けれど目の前に広がるのは〝絶望〟そのものだった。
「ありがとう。今日は凄く楽しかった」
彼に向かって微笑む彼女。
「俺も。凄く楽しかったよ」
それに対して微笑む彼。
そして唇をそっと合わせ、愛の言葉を囁き合う。
スキダヨ、アイシテル……。
目の前が、真っ暗になった。
ねぇ かめ。
〝あの日〟俺たちはもう終わっていたの?
想い続けていたのは俺だけで、かめは俺のことなんてとっくに忘れて笑っていたの?
オレジャナイ ダレカノ トナリデ
END
(いつの間にか 貴方の気持ちは
俺から 離れていたんだね)
(後悔しても遅いのに 浮かんでくるのは
〝後悔〟の二文字だけ)
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