第2章 クラスの中の再会

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「何だよ、これ!?よくこれ野放しにしてたな!」 血を流しながらも、右手に炎を溜めている。 「手伝おうか?」 「いや、平気だ。研究エリアだから無駄に魔法は放てないからな。2発でそっちの部屋に放り込む!」 そう言っている間にも、バジリスクは牙を出してアクセルに噛みつこうとしていた。 「まず1!」 アクセルは右手に溜めた炎をバジリスクの口に当てた。バジリスクは少し怯んでいる。 「これで2!」 バジリスクが怯んでいる隙に、瞬時にバジリスクに近づいて左足でバジリスクの首に蹴りを入れた。割れた窓ガラスの部屋に入れたのと同時に、アクセルは廊下に倒れた。 「大丈夫?」 「もう無理、動けねぇ、頭がクラクラする。」 「当たり前だろ、血がダラダラに流れている状態で2発入れただけで倒れるなんてちょっと落ちたんじゃない?」 「そんなことねぇよ。」 「!まだバジリスクが!」 部屋の中ではバジリスクが再び動き出そうとしていた。イルは腰につけているポーチから小さな注射器を取り出して、バジリスクの額に向かって投げた。 注射器が当たったバジリスクはパタンと床に倒れて寝てしまった。 「対魔物用の強力睡眠薬入りの注射器。これなら丸1日は起きないよ。」 「ありがとうございます!」 「それより聞きたいんだけど、保健室ってどこ?こいつを運んで保健室の先生に見てもらわないと。」 「保健室ならここの出入り口を出て右に行くと訓練エリアの方に着くんだ。訓練エリアは広いから案内板に従って行けば着くはず。」 「ありがとう。」 イルはアクセルを背負って保健室に向かった。
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