第一章・妖怪の殺人

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雨が降りそうな曇り空。少し風が吹いてきた。寒い。 白黒の幕や綺麗な百合のお花が少し風で揺れている。 お葬式の会場には沢山の大人が集まっていて自宅じゃないみたいだ。 今日は私の両親のお葬式。 色んな知らない大人が泣きながら「大丈夫よ。光ちゃん」と言う。 私は何が大丈夫なのか分からなかった。 近所に住む叔母さんがお葬式を仕切って忙しく動いている。 叔母さんを庭から見ながら、私はお父さんとお母さんが殺された日を思い出していた。
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