第一章・妖怪の殺人

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三日前の深夜、ドスンと大きな音で私は目を覚ました。 地震かな?と思い二階から寝ぼけながら下に降りていった。 ついでにトイレと。 一階のリビングは暗かった。 でもテレビの音と光だけがもれていた。 話し声も聞こえない。 不思議に思いながらリビングを覗くと、テレビの光に照らされた二人の倒れてる影。 すぐに近付きたかったが二人の側には見た事もない大きな影がテレビの光に照らされていた。 天井に届くくらいの真っ黒な大きな影。 赤い目がふたつ私を見ていた。 赤い目が私を見ながら近付いてくる。 動けない。 ふと、大きな影の動きが止まった。 淡い光に照らされて大きな影の顔がうっすら見えた。 熊?と思った瞬間、自分の首にかけられてる石が光っているのに気付いた。 紐を引っ張ってTシャツの中から出すと、ハッキリ熊の顔が見えた。 手には長い爪が赤く染まっていた。 熊は光の眩しさに目を背けながら、音も無く素早く逃げて行った。 すぐに倒れてる二人に近付くとソファーと床は血の海だった。 私は、お父さんとお母さんを触ってまだ温かいけど死んでる事を理解した。 涙が出てくる。何で?どうして?あの熊みたいなのに何でお母さんが負けたの?お母さんあんなに強かったじゃん!あんなのに負けた?なんで? ボロボロと泣きながら、近所のお母さんの妹。叔母さんの家に助けを求めに走った。
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