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室町時代末期… ここは安房里見城 「伏姫様ーーーっ!!」 「大変だ!伏姫様がまた城を抜け出された!」 「急いでつれもどすのじゃ!」 どたどたどた…… 「ふん! またアリのように探し回っておる… 滑稽じゃのう… のう八房?」 「ワンッ」 「毎日毎日同じことの繰り返し。 城主の娘だからといってぜいたくばかりしてられぬ!! もっと城下に目を向けるべきじゃ」 ガサッ 「!!………何奴じゃっ!!」 「がるるるる……」 《許さない……》 「なっ!おぬしはなんじゃ!!」 木の上に乗っていた八房と伏姫。 後ろを向くと生首だけの長い髪のおんながすごい形相でこちらをみていた 《呪ってやる…… あたしはお前を絶対許さない……》 「な……!!!うあ゛っ」 生首の女が伏姫の首に噛みついてきた 「きゃん!!きゃん!!」 八房が必死で追い払う 女の髪を噛んでぶん投げる 一応離れたものの 今度は怪しく笑っていた 《ふ……ふはは……!! これでお前らは里見家は呪われた》 フッ…… 生首の女は力尽きたように地面に落ちた「な……何を……」 ガクッ 力が抜けて横になる 「わんっ!!」 あ…… やばい…… 体がしびれて…… い、息が…… くっそ……… 「八……房… わらわはもう… ダメみた……い…じゃ…」 「わんっ!わんっっ!!!」 「くす……… 大……丈夫…じゃ… 今ま……で… ありが………」 スッ 八房の頬に触れていた手が静かにおりる 「わおーーーーーん!!!!!!」 このとき伏姫と八房は同時に涙を流した その落ちた涙から光が天に向かって突き進む 二本の線が交わり一本に ある程度の高さになると パアァァァァン と弾けて8つの玉が四方八方に飛んでいった 「わん…… わん!!!」 八房はある人のところに向かったのであった
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