第1書 紅い館

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鶴来 「ん…ここは……?」 ゆっくりと立ち上がる鶴来、そして手探りをする。 鶴来 「あった…」 持ったのは赤色の杖。鶴来の視力は通常の半分しかない。いわゆる半失明状態なので杖を毎日常備しているのだ。しかし目は少し見えるがぼやけている状態。 鶴来は杖をカツカツと地面を叩きながら進んでいく。 鶴来 「それにしても…ここはどこだ?」 ぼやけた視界には沢山の森が見える。明らかに日本ではない。 そして歩きはじめて数分後、そのぼやけた視界に紅い館が見えた。 鶴来 「館……ん?」 傍に寝息が聞こえた。 「Zzz………」 鶴来 「……女か」 寝息と臭いで女と当てる。 鶴来は視力が半分無い分、聴覚と嗅覚、そして肌の感覚が人一倍鋭いのだ。 「もう食べれません…ムニャ…」 鶴来 「どっかで聞いたことある寝言……!!」 気配を察する鶴来。その後ろには一人のメイドがいた。
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