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鶴来
「ん…ここは……?」
ゆっくりと立ち上がる鶴来、そして手探りをする。
鶴来
「あった…」
持ったのは赤色の杖。鶴来の視力は通常の半分しかない。いわゆる半失明状態なので杖を毎日常備しているのだ。しかし目は少し見えるがぼやけている状態。
鶴来は杖をカツカツと地面を叩きながら進んでいく。
鶴来
「それにしても…ここはどこだ?」
ぼやけた視界には沢山の森が見える。明らかに日本ではない。
そして歩きはじめて数分後、そのぼやけた視界に紅い館が見えた。
鶴来
「館……ん?」
傍に寝息が聞こえた。
「Zzz………」
鶴来
「……女か」
寝息と臭いで女と当てる。
鶴来は視力が半分無い分、聴覚と嗅覚、そして肌の感覚が人一倍鋭いのだ。
「もう食べれません…ムニャ…」
鶴来
「どっかで聞いたことある寝言……!!」
気配を察する鶴来。その後ろには一人のメイドがいた。
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