好奇心

4/9
前へ
/9ページ
次へ
「それよりさぁ~アンタこの前のテスト赤点だったじゃない、補習受けなくていいの?」 「えっ補習?そんなのいいよ!私は歌手になるから」 どれだけめでたいヤツなの……。 「まぁアンタの将来の夢をツッコム気はないけど、赤点ばかりやと留学だよ」 多分、このままだと二年だ。 「大丈夫だって!なんとかなるよ」 人の心配を無視かい!! 「おーい!お前ら、今日はどこに行くんだ?」 話し掛けて来たのは私の双子の兄、隆也だった。 「なぁ今日肝試ししないか?」 なぬ!肝試し!? 「あっいいね~夏だし盛り上がりそう!!」 すぐに乗ったのはやっぱり彩だった……。この女の軽はずみな好奇心には付いていけない……。 「ねぇねぇどこに行くの!」 彩は目を輝かせて隆也に聞く………。 「場所はここだよ」 ここ?学校? 続けて隆也は 「この学校は出るって有名だろ、だから一回肝試しをして確かめてみたかったんだよ」 この男は………。 だけど彩は 「あ~みんな言うよね~でもマジでお化け出るの~私も一回見てみたい~」 と満面の笑顔で隆也を見つめる。 隆也も彩の満面の笑顔と彩の視線に鼻が伸びてる……。 隆也は彩の事が好きなのだ。 どこをどう見て惚れたのか……。 でも彩は隆也の事はほんのクラスメートと私の兄貴としか認識してない。 まぁ遊び好きな彩だから暑苦しくて努力家、勉強家は嫌いだ。 だから隆也みたいな熱血なヤツは苦手かも………。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加