3.変わっていく何か

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俺の顔色が一瞬にして変わったのが、沙雪にも分かったのだろう。 ふふっと笑うと、イタズラっぽく言う。 「図星ー?」 「…………」 何も答えられない俺。 しょうがないなぁといった風に溜め息をつくと、今まで目の前にしゃがみこんでいた沙雪が、立ち上がると俺の隣にストンと腰をおろした。 「どうしても言いたくないんならいいけど」 「…………」 「吐き出した方がすっきりすることの方が、多いと思うけどな」 しばしの沈黙の後、抑揚の無い声でポツリと言った。 「俺さ…」 「何?」 「歌手になるっていう夢、諦めるかもしんない」 どうしてこんなことを言ったのか、自分でも分からない。 しかも会って間もない、どこの誰とも分からない名前しか知らない女の子に。 だけど言葉は、次から次へととめどなく溢れてきた。 まるでずっと出口を探し求めていたかのように―…。 沙雪は少し驚いた様子だったが、口を挟む事も無く俺の言葉をじっと聞いていた。 「何かさ…分かんなくなってきたんだ、最近。否定すんだよ、俺のやろうとしてることを周りが。俺の言葉なんて…聞いちゃ貰えなくて…」
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