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「まずは、今片付けないといけない“仕事”に付いてきてもらおう」
神崎がココアを飲み終わったタイミングでKが話す。
おかわりしたかったんだけどな。
「“仕事”っていうと……」
「ま、簡単に言えば“盗み”かな」
ついて行ったらいずれこうなることは分かってたが、目の前に突きつけられるとそのことの重さが感じられた。
「今から、栃木県へ向かう」
「栃木!?
なぜに栃木!?」
「だから“仕事”だ。
向かうのは、僕と君の二人ペア」
「質問の答えになってない!
わざわざ県外まで行かなくてもいいじゃないか」
「思ってたよりバカだな」
やれやれというようにKが首をふった。
「確かに僕たちにとって、知ってる土地で盗みを働けばかなり楽だ」
そこまで聞いて、やっと神崎にもわかった。
「そうか……他にも楽な人達がいるわけだ」
神崎はニヤリと笑った。
そのやりとりを見ていたIが感嘆の声をあげる。
「やっぱり見込みあるわね」
怪盗の?
喜んでいいのかなそれは。
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